昭和平成世代のたわごとなら、ごめんなさい。

連日、日本では23年の出生数が最少75.8万人となったことや婚姻数が90年ぶりに50万組を割ったこと、さらにはお隣韓国の23年の合計特殊出生率が0.72に低下したことなどが報じられている。
両国ともこの数年矢継ぎ早に子育て支援策を打ってきているが、期待したほどの成果は出ていない。確かに当事者の声を集めると、子育てに金がかかりすぎる・共働きで子育てする環境ができていない・結婚して子育てする世代の所得が不安定で少ない(非正規雇用)といった「声になる」もっともな意見が多く、その結果これらの意見に応える施策のオンパレードになっているのが現状ではないか。

もちろんこのような施策はやったほうが良く、相応の効果はあるだろう。
しかし、少子化が少子化を加速化させている流れを逆転させるためには、もっと深い問題、「声になっていない」課題に向き合って手を打って行かなくてはならないのではなかろうか。
日経新聞の社説には、「若者の将来不安などから、結婚や出産をためらったり、そもそも望まなかったりする人が増えている。」という指摘がある。そうかもしれない。しかしなぜ東アジア3か国(日本・韓国・中国)の出生率だけが先進国のなかで突出して低いのか?将来不安といえば途上国の若者のほうが客観的に見て恵まれないのに、ずっと出生率が高いのはなぜか?(よく子供を労働力として必要だからと言われるけれど)
アジア3か国もひと昔前は高出生率を誇っていたから、伝統的な文化要因ではなさそうだ。
いずれの国でも、高度成長を経験し今の生活に満足している若者や少子化で親のすねをかじって暮らしていける若者であふれている。
彼らからすれば、結婚も子育ても面倒くさいことにちがいない。
適切なたとえではないかもしれないが、私には彼らが「ゆでガエル」のように見える。日本は今どんどん国力を落としているのに、楽な生活に慣れ切った人たちにはその実態がみえないのではないか?

親世代の我々に大きな責任のあることを痛感する。このような若者に自立を促し、努力する若者にもっともっと挑戦する機会や環境をつくって報いることこそが、長い目でみて少子化を構造的に改善する、そして日本を復活させることにつながると信じたい。