大企業がシニアを囲い込んでいいのか?
総務省の労働力調査によると、シニア人材(60代以上)の就業者数は2023年に1468万人で、就業者全体に占める比率は21.8%に達し、若手人材(20~34歳まで)の就業割合である23.2%に肉薄してきた。
そんな中、スズキは2024年から再雇用したシニア従業員の給与を現役並みに引き上げ、日本精工やGSユアサもシニア社員の賃上げに踏み切った(5/20付日経新聞)。深刻化する現役人材不足の対策として待遇改善で優秀なシニア人材をつなぎとめる狙いがあるようだ。
トヨタ自動車や住友電設など、再雇用の職種を広げたり、再雇用期間を延ばしたりする企業も増えてきたようだ。
シニアが定年退職後も働けるチャンスが拡大すること自体は大歓迎。
しかし、個別の大企業がそのような動きに出るのはよく理解できるが、日本国全体にとって望ましいと言えるのだろうか?
これまで大企業が蓄積してきた経験やスキルを、シニア人材を介して中小企業に積極的に開放することで、中小企業の活性化にしっかり役立てるべきではないか。
シニアの生き方は様々だけれど、これまでの延長戦(雇用延長)に甘んじることなく思い切って自分の知見を活かせる新たなフィールドで働き社会に貢献したい、かかる意欲をもつシニア人材にチャンスを与えることで、元気なシニア層のウェルビーイング向上にも資するのではないか。
私はこんなことを考え、知見パワーの事業にあたっている。