「仕組み」に注力しよう!

日経朝刊(3/4)の「経営の視点:ジンヤ、米ラーメン最大手の肝」を読み、思わず膝を打った。「・・・ジンヤHDの高橋知憲最高経営責任者(CEO)がチェーン展開を始めた直後に痛感したのは『仕組み』の重要性だ。日本では食材の供給で卸会社に頼れるが、米国は勝手が異なる。・・・同社の試行錯誤の背景には、日本企業が頼りにしてきた『強い現場』を前提にしない姿勢がある。・・・」

現場が重要なことは言わずもがな、しかし日本の企業はこれまで経営も現場も同質な人たちの世界を前提にして、わかる範囲で現場の声を拾ってきただけではないのか?異なる文化や育ちの人たちの声はわからないから雑音として捨ててきたんじゃないのか?

これから日本企業が本気で多様性と向き合いグローバルな土俵で勝負するためには、これまで捨ててきた異なる人たちの声をしっかり拾う必要がある。そのキーワードが「仕組み」だと思う。どんなバックグランドの人たちでも理解し納得できる「仕組み」の構築に努めることこそが、日本という殻を突き破って新しい時代に勝ち残る決め手の一つと考える。

グローバルに限らず国内の多様性推進や閉鎖性打破でも同じことが言えるのではないか。

実は私が知見パワー株式会社の事業を進めるなかで苦労してきた最大の壁は、「中小企業のオーナーが持つ元サラリーマンを使う事に対する抵抗感(と元サラリーマンの中小企業についての理解不足)」。中小企業のオーナーと大企業で働いてきた元サラリーマンでは、社会人としての育ちが全く違うので、考え方に相当大きなギャップがある。

間に立って、双方の心配や不満に双方が理解するように促してきたつもりだが、これは容易でない。そこで注目したのが事業の「仕組み」の作り込み。まだ十分とは言えないが、「仕組み」を磨くことでまずは直接コミュニケートするところまで行き着きたい。そして双方と弊社が直接向き合ってコミュニケーションを重ねることで、ギャップを埋めていきたい。