「メンバーシップ型雇用」のぬるま湯から脱却しよう?
企業を取り巻く環境に大きな変化がなく企業の目指す方向感がみえている(社員=メンバーの間で進む道を共有できる)、これまでの実績を踏まえて改善していくことに納得性がある(合理的と思われる)...こんな時代(例えば高度成長期)には「メンバーシップ型雇用」が優れていた。
メンバーシップ型の要諦は、メンバー間の関係性。
メンバー間の関係性を高め、目的を共有し、経験豊富で人格者である年長者のリーダーシップの下、一致団結して頑張る。
「メンバーシップ型雇用」は、昭和時代の日本の強さをよく物語っている。
しかし、日本そして日本企業を取り巻く環境が激変する今(現在そしてこれから)、「メンバーシップ型雇用」のぬるま湯は、企業の成長を阻む罠になりかねない。
メンバー同士の信頼はとても大切だけれど、「メンバーシップ型雇用」に甘えてしまうと、互いに切磋琢磨する緊張感や外から異質を積極的に取り入れる進取の精神が衰え、なれあい、内輪の論理優先(異なる考えや異なる人たち排除)、リスク回避、同調圧力、付和雷同につながってしまいかねない。
特にオーナー企業では、オーナー自身が「企業風土」に上記のような弊害が生じていないか常に監視を怠らず、時に風土をかき回す勇気が必要ではないか?
かき回す具体的な方法としては、変革が必要な分野に敢えて「ジョブ型雇用」や業務委託を導入することで、社員と外のひとが一緒に働く機会をつくったらいい。
とは言え、イエスマンに囲まれたオーナーは裸の王様も同然。変革が必要な所がみえなくなっている場合もある。是非とも相談相手を外から取り入れて、新たな視点で会社を眺めてもらいたいものだ。