不確実な時代、優れた中小企業に勝ち目あり!

今、米国トランプ政権による関税ショックが世界中で吹き荒れている。
特に日本の場合、米国にとって最も重要な同盟国のひとつだから特別な配慮があるだろうと期待する向きもあったので、落胆の程度が大きいように見受けられる。確かにトランプ大統領はとんでもない奴(ポピュリスト)だけれど、その彼を強烈に支持する人達が米国に相当数いることを考えると、彼がやがて辞めたからといって米国の政治の流れが大きく転換することは、少なくとも今後数年間ないだろう。

一方、世界における権威や影響力が低下してきた(でもナンバー1の座は譲りたくない)米国と、高めてきた経済力に見合った権威や影響力を求め始めた中国との本格的な確執は始まったばかりであり、世界経済圏の分断 あるいは 両者が手を組んで他の国々をコントロールしようとする流れは一層大きくなっていくとみられる。さらに、他の国々のなかには(ロシアのように)経済力や発言力では二大大国に叶わないからといってチカラで存在感をアピールするところも出てくるので、世界情勢の不確実性はものすごく高まってきている。

しかし、リスクの高い海外は忘れて(中長期でみれば成長どころか縮小も覚悟しなくてはならない)日本の中に籠って耐え忍ぶという発想では、ジリ貧以外にない。
これからの世界は不確実性に溢れているからこそ、リスクもチャンスもゴロゴロ転がっているはずだ。
どこでモノをつくるか、どこで売るか、サプライチェーンをどうするか、誰と組むか...等々、世界情勢の変化に合わせて海外マーケットとの関係を柔軟にスピーディーにかつ主体的に変えていくビジネス・マネジメントに挑戦するか否かが、これからの日本企業の盛衰を左右するになるだろう。

「経験豊富な大企業なら挑戦できるかもしれないが、中小企業じゃ無理だ!」という声がきこえてきそうだ。
でも、本当か?
こんなに不確実性が高い時代、いくら情報を集めて分析しようが、「正解」にはたどりつかない。
確実性が高い時代には、ヒトもカネもある大企業のほうが断然有利だったけれど、誰も先を読み切れない不確実な世界では、賢く度胸のある経営者をもつ中小企業のほうが、意思決定の柔軟性・スピード感・方向転換のすばしっこさで、大企業よりはるかに優れている。
賢く度胸のある中小企業経営者が、失敗を含め多様な海外事業経験をもつ「元大企業のサラリーマン」を上手に活かせば、挑戦の成功確率が更に高まること、請け合いだ!