ウェルビーイングに注目しよう!

ウェルビーイング(well-being)が、健康経営や働き方改革を進めるなかで注目されてきた。ウェルビーイングは、身体的・精神的・社会的に良い状態(満たされた状態)であり、総合的な幸福感と言い換えてもいいだろう。

他の生きものと異なり、人間だからこそ身体的・精神的のみならず社会的に満たされることが欠かせない。

どんな人間でも身体的あるいは精神的に良くない状態は病気であり一義的に理解しやすいが、社会的に満たされた状態は各人各様であり、価値観・属性などによって異なるのでわかりづらい。

ただ、社会的な幸福感は他のヒトとのかかわりから生じる点がポイントであり、「自分らしく/自尊」は他のヒトとのかかわりにおける自分の幸福にかかわる問題と言える。

シニアの場合、現役時代には「働くこと」が社会的な生き方の中核であったため、職場での充実感≒社会的な幸福感だったのではないか。

しかし、定年退職後は「働くこと」以外で社会的な満足感を得ようとしても、これがなかなか容易ではない。働きたいけど働く場がないという喪失感は、やがて精神的な病、更には身体的な病にもつながり、ウェルビーイング全体を著しく損なう危険性がある。

身体的・精神的に健康なうちは「働く」という社会的な生き方を本人が希望する限り続けることができる、そうすることで、シニアのウェルビーイング向上をはかるべきではないか。

働く=雇用と考えては、シニアが持ち味活かして働く場はなかなか広がらない。シニアにあった働き方の選択肢を出来るだけ増やしていく工夫が重要だと考える。